① 構想
ベイトロッドでのアジングは以前から非常に興味がありました。
軽快にキャストして鯵を釣る!
カッコいいですよね♪
何故、今、アジング専用ベイトフィネスロッドを作ろうと考えたのか?
突然、思い付きで作った訳ではなく、構想自体は7年くらい前より考えていました。
アジングと言えば、ジグ単でされている方が多いかと思います。
何gを使うか?どんなフィーリングで使いたいか?
と考えた時に比較するのはスピニングロッド。
普段使われているスピニングロッドとベイトロッドの『感覚の差』
ここに大きな溝があると考えました。
一般的にアジングでの基準とされているのがジグ単であれば『1g』
もちろん、それ以下の軽いウエイトが基準となる場所も多々あります。しかし、既存のタックルでは、カスタムしたリールと専用ロッドで頑張って2g、3gがベイトフィネスタックルで快適に扱えると言われる限界でした。
『えっ!?』と思われるかも知れませんが実はそうなのです。
アジングで考えると2g、3gはかなり重いウエイトであり、使う場面は限られてしまい話にならないのです。
私が考えるベイトフィネスアジングロッドの基準の一つが
『ジグ単0.5gから使える』
スピニングロッドも同じで0.5gが使えるのと使えないのとでは釣果に大きく差が生まれます。
『ベイトだから0.5g単体は使えない』では全く意味がないと考えました。
しかもジグ単0.5gをキャスト出来るだけではダメで、
潮流の変化が感じられるか?がポイントなのです。
刻々と変わる潮流を感じなければ鯵の付き場も見つけ難く、
また、食い上げのアタリも感じられないのです。
アタリが分からなければ、チャンスが減り、釣果も減ります。
製作にあたり中途半端な物は作りたくない!
私の性格なので相当こだわりました。
数年前からストアイベントでお会いしたお客様からもベイトフィネスロッドを作って欲しいとかなり要望を頂いておりました。
その際に
『現状での不満点』
『理想的なイメージ』
など一人一人お伺いして何を求められているのか考えました。
イメージはスピニングロッドと同じ。
ソリッドティップで『0.5gで潮流が分かる』ブランクを目標に
素材はクリスター57+、クリスター60フォーカスで好評頂きました。
東レ T1100G 33tカーボン と M40X 40tカーボン をメインに使い
ソリッドは30t高弾性カーボン
楽しみが広がります!
② ガイド
ブランクのイメージはずっと以前からあったので直ぐに決まりましたが
問題は、ガイドとガイドセッティングだと考えていました。
初めてのベイトロッドなので色々な意味でチャレンジ!
ガイドは『シングルフット』を採用!
ベイトロッドの多くはダブルフットなのですがスレッドを巻く箇所が増えて完成した時にロッドが硬くなります。
対象は鯵なので、全国各地の平均で考えると20cm前後。シングルフットで十分強度もあります。
何よりブランクの柔らかさを活かせるのが魅力です。
ガイドサイズはスピニングより一回り大きい3.5を最小サイズとして使い徐々に大きくしていきます。
そしてガイドセッティングは潮流の変化をより感じやすい
『スパイラルガイド』のセッティングが良いと考えていました。
問題はどうスパイラルさせるか?を考えていました。
山口県フィールドスタッフの秀星とベイトフィネスアジングロッドについて話をして秀星オリジナルロッドを見せてもらい衝撃!
独特のスパイラルセッティングでした。
ロッドを作ったねぎねこさんともお会いし色々とお話をお聞きしました。
『長いスパンでスパイラルさせるとラインがブランクに当たって失速する』
『それならガイドに当てて短いスパンでスパイラルさせる方が良い!』
ご自身で色々と試された結果でこの様なセッティングになったのだとか。
確かに短いスパンにて手前でスパイラルさせれば、そこから先はスピニングと同じ感覚で扱えるのでブランクの柔らかさを活かすには絶対にいい。
今までに無い、軽量ジグヘッドをベイトでキャストする前提なので今までのスパイラルでは難しく
この『ショートスパイラルガイド』で作らせてもらう事にしました。
こちらが 『 ショートスパイラルガイド 』
スパイラルの3箇所のガイドはラインが常に当たる前提なので、より熱放射が良い『Sic-s』を採用
他は糸抜けを意識して内径がより大きい『トルザイト』を採用しました。
バットガイドはアシストをメインとして考えて、クラッチを切った時にラインが弛み、ブランクにくっ付くのを防ぐ為かなり手前に設置。更にブランクのしなりを邪魔しないように逆位置で取り付け。
それから『ショートスパイラルガイド』にラインが入るのですがリールからいきなり『ショートスパイラルガイド』にラインが入ると入射角度がキツかったので和らげる目的もバットガイドにあります。
スパイラルさせた後のガイド位置はスピニングと同じイメージで考えてセッティングしました。
③ リールの進化
ロッドと共に必要なのが『リール』ベイトリールであれば何でもOKではありません…
軽いルアーウエイトがキャスト可能なベイトフィネスリールである必要があります。
少し前までベイトフィネスと言えば、チューニングしたリールの使用が大前提!
ここが難しい。
誰もが始めるにはハードルが高いと感じていました。
種類も多くて何が何だか…
そんな中、登場したのがダイワさんの『アルファスエアーTW』
28mmのスプール搭載で購入時のままで誰もが楽しめる!
革命的なベイトフィネスリールの登場でこのリールを使いテストをスタート致しました。
④ ファーストサンプル
イメージが形になって仕上がってくると非常に嬉しいものです♪
届いて速攻で開封!
まずはロッドだけで素振り、そして曲がりと強さをチェック。
この段階でおおよその感覚は分かります。
次はリールを載せての確認へ
昼間のキャストチェック。夜の実釣テストと確認していきます。
今回はブランクが強すぎて感度はもう一つ
1.0gのジグ単ではいいのですが0.6gになるとブランク部分が硬く、潮流の感覚が分かり難い。
細身のブランクなので全体で曲がり潮流を感じたいイメージ
もっとルアーウエイトをしっかりと載せてキャストしたいので今のサンプルより柔らかくする方向へブランクを細くしキャストフィーリング向上も意識しました。
あとは取り回しが良くなる様にセパレート部分を短く修正。
ポイントになったのは…
グリップ部分のEVAの長さ!
この長さで握る感覚もキャストのフィーリングも変わります。
何パターンか作って頂き、何度も握り確認。
次の仕上がりが楽しみです!
⑤ セカンドプロト
待ちに待ったセカンドプロト♫
速攻で開封!
室内で素振り
そして曲げてパワーとカーブを確認♫
海へ行ってキャストフィーリングを確認💡
更に細身になったブランクでキャストの振り抜け感向上!
ブランクが細くなる事でよりジグ単0.5gの重みを載せてキャストし易くかなり快適!
潮流の変化もバッチリ伝わり、食い渋るテンション抜けのアタリも掛けていける!
また軽いリグばかり注目しておりましたが、アジクト43(2.8g)もバッチリ扱えるパワーもあります。
軽量ジグ単からハードルアーまで幅広く扱えるのもポイント!
短くしたセパレートも丁度良く楽に扱え、グリップ部分のEVAもバッチリ!!
こちらもぴったりサイズで非常に良い♫
ほぼ完成と言っても良いレベルに仕上げて頂きました!
一点だけ反響感度をもう少し上げたい!!
非常に贅沢な話ではありますが超大切です。
今回の製作で感じた私の感覚はスピニングとベイトのロッドを比較するとベイトロッドは反響感度が下がります。
スピニングとベイトでは握り方とリールの取り付ける位置が違う事が要因と考えています。
スピニングリールはぶら下がった様な感じですがベイトリールは握る箇所よりも前に取付。
しかもロッドの上に載るのでリールの影響は大きいと考えています。
構造的にそうなのであれば、尚更反響感度を上げておく必要があるかと考え、ブランク#2のM40Xの使用量を目一杯増やす方向へ修正。
楽しみ過ぎます!
⑥ 最終プロト
デザインはブランクが細身なのでロッドネームやスペックをセパレート部分に記載。
ClearBlueオリジナルのメタリックブルーで塗装したリールシートが気に入っています♫
前作のサンプルよりもキャストフィーリングや潮流の感じ方はそのままにセカンドプロトよりも感度が上がるのか⁉︎
#1はT1100G、#2にM40Xをベースに使用。
届いたサンプルを速攻で開封!
素振りで『すげー!』
海へ行ってまずは感覚チェック
正直、ここまで感度が上がるとは驚きました。
ジグ単0.5gの重さを感じてキャスト可能。
潮流をきいてアジング出来ます。
慣れれば更に軽いウエイトも♫
またアジクト43 (2.8g)などハードルアーも難なくキャスト出来てシンペンながらしっかりと潮を感じて楽しめます。
軽量リグを感じながら操作できる超感度とキャスタビリティの両立
目指したのは
『ベイトアジングのスペシャルスタンダード』
Crystar55BF-master
これにて完成!!
今までに無い!
アジングベイトフィネスロッドの誕生です。
ベイトフィネスの常識を覆す!
キャストする爽快感
潮流変化の伝達力
アタリの反響感度
やり取りするダイレクト感
Crystar55BF-masterにて
是非お楽しみください!
名前の由来
BF(ベイトフィネス)
master(自由に使いこなすこと)