皆さん!どうもこんにちは!元家電屋カメラ担当の秀星です!
タイトルにあるように今回はアジを綺麗に撮ろう!をテーマに語りたい!
とは言っても、クリアブルーのベイトインストラクターが突然写真?と言われてもなんで?ってなると思うので、俺の略歴を少々(笑)
この手のHow-toは何を言ったかより誰が言ったかが大事です。
学校を卒業して、名古屋の家電量販店に就職しました。そこで、初めて担当した売り場が今ではさっぱり売れなくなってしまったビデオカメラコーナーでした。
その後、コンパクトデジカメ、一眼レフコーナーとカメラコーナー全体を担当するようになり、そこでカメラのイロハを学びました。とは言ってもフォトグラファーという訳では無く、飽く迄も売る人でしたけどね。
結構プロとかハイアマチュアのお客様も担当させて貰えて、色々教えていただきました。
さてさて、そんな感じでもう10年以上写真撮影も趣味の一つとしてきました。
元々は風景を撮るのが好きだったのですが、クリアブルーのスタッフになったタイミングで魚を綺麗に撮りたい。クリアブルーのルアーをもっと皆に見てもらうにはどうすれば良いのか?を考えて撮影機材を持ち込んで釣り場で写真を撮るようになったので、そこで培ったノウハウ、コツを皆さんと共有したいと思います!
今の俺のカメラ機材は、カメラNikon Z50 レンズ Z DX 24mmf/1.7とNikon Z30 レンズ Z DX 12-28mm f3.5-5.6 PZ VR の2台体制です。
Z50が写真用、Z30はYoutube動画撮影用として運用しています。
レンズ交換式カメラの良さを語りたい所ではありますが、今回はスマホで撮影するという事を重点的にお話したいと思います。
Point そもそもカメラは暗所に弱い
カメラやスマートフォンの売り文句に暗所に強い!暗い所でも綺麗に撮れる!と謳われている商品を目にした事があるのではないかなと思います。
これは裏返せばカメラは暗い所で綺麗に撮る事が難しいから商品の売りになる!という事です。
え?でも今のiPhoneとかスマートフォンのカメラは暗い所でも綺麗に撮れますよ!という言葉が聞こえてきますが、これにはからくりがあるのです。というか、そのからくりを知ればもっと写真は綺麗に撮れます。
カメラで暗所を撮る際に弱点を補うの方法は大きく二つあって、1つは合成、1つはデカさです。
スマートフォンは多くの場合合成を上手く使って暗所に強くしています。例えば、iPhoneのナイトモードは一回のシャッターの間に複数枚の写真を撮影して合成し、綺麗な一枚な写真にしてくれます。暗い所で撮影すると「撮影中はスマートフォンを動かさないで下さい」という注意が出ると思いますが、撮影中に動いてしまうと上手く合成できないからです。
スマートフォンにほぼ淘汰されてしまったコンパクトデジタルカメラとの最大の差はここにあります。スマートフォンはカメラとしてだけでは無く、ゲームやインターネットのブラウジング等、多種多様な使い方を想定しているので、機械としての頭脳がデジタルカメラとは一線を画してます。その頭脳を写真の合成に使う事によりパッと見にはほぼ完ぺきな合成を可能にしています。すげぇぜスマートフォン!
もう1つのデカさはそのものズバリのデカさです。
デジタルカメラ(スマートフォン含む)はレンズから入った光をセンサーで読み込んで写真にします。カメラのレンズが大きければ大きい程光が沢山取り込めるし、センサーが大きい程暗い所でも光を沢山取り込めます。
近年のスマートフォンのカメラレンズの大型化は、この合成とデカさの両方を取り込もうとしている進化の形といえるのです。
SHARPやSonyから従来のスマートフォン用センサーより大型の1インチセンサー搭載のカメラスマホもちらほらと出て来てます。
さてさて、ツラツラと書いてきましたが、上で語った事は、あんまり覚える必要はありません(笑)へぇ~と思って流していただいてOKです。では、何故語ったかというと、暗所で写真と撮るという事は難しいという事を、理屈として知っておくと写真の理解が深まるからです。写真を撮るうえで何より大切なのは、「光」です。
Point 光を操る
写真撮影の技術にライティングがあります。
くっっっっっそ奥が深いので、俺も全然まだまだですが、早い話が光を写したい対象に対してどう当てるかという技術です。光の当て方によって、陰影が生まれ立体感のある写真が撮れます。
実はアジという被写体はライティングが凄く難しい被写体です。それはなぜか、光を反射させる体をもっているからです!
皆さんもこのようにアジがピッカピカに光った写真を撮ってしまった事があるのでは無いでしょうか?
スマートフォンのフラッシュ機能を使うと良く起こる失敗例なのですが、なぜこのような事が起るのかというと、写真を撮る瞬間とフラッシュを焚いた後ではアジの明るさが違うからです。
もう少し詳しく解説すると、カメラやスマートフォンはピントが合った位置の被写体に対して明るさを調整して、一番良い設定にしてくれます。
しかし、撮影の瞬間、フラッシュで光を足すと暗い所で撮影するツモリだったのに明るすぎる光のせいで、上の失敗例のようにアジが白く飛んでしまうのです。しかも悪い事にアジは光を反射する銀色の体をもっているので更にたちが悪い!
写真のプロもフラッシュ撮影する際は、被写体に対してどれくらいの光を当てるのか、フラッシュの光の強さとカメラの設定を試し撮りしながら詰めていく位、実はフラッシュ撮影は難しい技術なのです。
ではどうすれば良いのか、初めから被写体を明るくしておけば良いのです!スマートフォンのカメラの設定でフラッシュをライトの常時点灯設定にするだけで、高確率でこの失敗は防げます。
常夜灯が暗い場所やそもそも明かりが無い、暗い場所だと光が足らない!スマートフォンのライトだけでは光が足らずにぶれてしまう。
あると思います。
そんな時は外部のライトを使いましょう!皆さんご自分のヘッドライトがあると思うので、ヘッドライトを当てて撮影するが良いでしょう。
しかし、アジを持って、スマートフォンを持ってヘッドライトを頭に付けて・・・の撮影は大変です。頭の位置からの撮影なので、スマートフォンの影になってしまったりして中々苦労してしまいます。また、ヘッドライトは光が強すぎるうえ、LEDの直線的な光線によりアジに光が反射しやすいという特徴もあります。
そこで、俺は写真用にスマホ用外部ライトと接続ホルダーを使っています。
このライトだと、LEDの光を前面のパネルで拡散してくれるので、同じ光量でも柔らかい光がアジに当たってくれます。
多少荷物は増えてしまいますが、タックルボックスの片隅に入れておくと予備の光源にもなって便利なのでおススメです!
外部ライトが2500円位、接続ホルダーが1500円位で購入できます。
接続ホルダーにスマートフォンとライトをセットする事で手軽に光量を稼いだ写真を撮る事ができます。
※スマホホルダーを選ぶ際は、ホットシュー付きを選ばないとライトが取り付けられないので注意です。
Point 主題を考える
「写真は引き算」。聞いた事が有る方もいらっしゃるかと思います。
人間の目は器用なもので、見たいもの以外は脳が排除してくれるので、綺麗な景色は綺麗に見えます。
しかし写真ではそういう訳にはいきません。
写したモノが写したまま写るのが写真です。
何が写したい被写体なのかを考えて写真を撮ろう。
まぁ今回の場合はアジなので、そこまで深く考えなくても良いですが、主題に対して邪魔なモノはなるべく排除です。
例えばこの写真、主題のアジに対して背景がうるさすぎてカッコよくありません。
アジより後ろの手すりに目が行ってしまいます。
同じ場所同じアジの写真ですが、アジに寄る事でグッとアジが引きたった写真になったかと思います。
それでも後ろの手すりが邪魔ですが、マシになりました。
横着せずアジを持ち上げて海を背景にしました。
背景の手すりが消えて余計なモノが0になり見せたいものがよりはっきり分かるようになりました。
しかし、この写真…どこか違和感が…?
Point 目にピントを合わせる?
こちらの写真の違和感の正体は「アジの目からピントが外れている」という事です。
生体撮影の基本として、目にピントを合わせるというモノがあります。
スマートフォンで人物を撮影する際、目のアタリに□マークが出る機種がありますが、それはこの基本に忠実だからです。物品のレビュー系Youtubeを見ていると、紹介したい商品を前に出しても顔にばかりピントが行って、見せたい商品にピントがいかないという事がありますがそれは、カメラは人の顔を綺麗に撮るという事を最優先に設定されているからです。
今回の写真の場合は、セクシーBのオリカラとして宣伝用に撮影した写真なので、俺の意図的には合ってはいます。
ただ、写真を見た人に違和感を覚えさせるのであれば、例えば、下の写真のようにもっとアジをボケさせて、主題がアジでは無くルアーだという事を強調した方が良かったかなと思います。
①ワームにピントを合わせている写真。
②アジの目にピントを合わせている写真。
しかし、流石にこのボケ感はスマートフォンでは出せないと思うので、一眼カメラ向けのテクニックにはなってしまいます。
上2枚の写真のアジバサミを見比べてみてください。ルアーにピントが行っている①の写真はClearBlueの文字がボケて読めないのに対して、②の写真は、ClearBlueの文字が読めると思います。
この現象を被写界深度と言います。
少し被写界深度について説明すると。上の画像の真ん中部分はしっかりピントが当たって、模様が見えますが、奥や手前に行くにつれて滲んでしまって模様が見えなくなっていきます。奥の方の事を後ろボケ、手前の事を前ボケという言い方をします。
ちなみに、ピントが合うべき所に合っていない時の失敗写真の事をピンボケ写真と言います。
所謂背景のボケが生まれる原因の現象なのですが、簡単に説明するとピントが合っている場所から離れたら離れた分ボケるという事です。
なので、アジとルアーを一緒に撮影する際はアジを「横」にしてなるべく奥行が無い事を意識して撮ってみましょう。
この写真は横からアジを撮る事で、アジの目とワームにしっかりピントが合っています。
Point ブツ持ちに応用
この被写界深度という考え方はブツ持ちの際も考慮しなければいけません。
例えば下の2枚。
■ アジにピントを合わせた写真
■ 人物に写真を合わせた写真
ブツ持ちの場合、アジを主題にするのか人物を主題にするのかによって写真の印象は大きく変わります。
豆アジという事もありますが、人物にピントを合わせた写真は何を持っているのか殆ど分からないですよね(笑)
この場合は上の写真が採用となるかと思います。
ブレブレの失敗写真ですが。
サムズアップ?している誰かさん・・・
スタッフのタカさんでした!
どこにピントを合わせるかで写真の印象は大きく変わります。
ブツ持ちして写真を撮る際、魚を大きく見せたくて魚を前に持っていきがちですが、
写したいモノがボケてしまっては勿体ないので、
あまり魚を前に出し過ぎないというのもテクニックの一つとして覚えておいてください。
日中の明るい時間帯ならさほど気にしなくて良いんですけどね!暗い時間は人とアジの距離は大事です。
終わりに
最後まで読んでいただいて有難うございました。
写真に関してはまだまだ語りたい事もあります(ボケとF値の関係とか、ブレとSSの関係とか、ISO感度とかフルサイズ機とAPSC機どっちが良い?とか)が、倍以上の文字数になってしまうので、今日の所はこの辺で!!
アジやその他の魚を釣って食べるのも楽しいですが、俺は魚をリリースする派なのでカメラを魚籠に見立てて入れてます。
魚籠はカメラが有れば良い!
■ 夕暮れの漁港より
■ 漁港の天の川
■ 初日の出と共に
■ 春満開
カメラ楽しいよ!カメラ!!!